「八十八夜の白日夢」

柔らかい青緑の茶葉をつかみ、か細い声で鳴くようにぷちぷちという茶葉の呟きのようなものを聴きながら、摘み続けていた。

朝の茶葉と昼の茶葉と夕方の茶葉は、永遠の中を漂う夢のように開いては硬くなっていく。

少しづつ開いては広がっていく茶葉は、時間を押し開くように葉を広げて、伸びやかに息をしているように柔らかな茶の香りを醸し出していくのだ。

お母さんは、その息を一つ一つ拾っていくように、茶を摘んだ。

僕も、また、お母さんと同じように、茶葉を摘み、こぼれないように掌に掴んでいった。

僕たちの時間は、どこか変わらないようで、去年とは、どこかが違うのを感じ、永遠の時間があるのなら、その時間は、このように変わらずそこにあるが、もうそこにはなくなった何かを思わせるものであるように、感じていた。

多分、それは、永遠があるならば、夢の中にあるであろうと思っている、僕の見ている、僕の手に染み付いた茶葉の薄緑色の匂いのような、八十八夜の白日夢なのであった。

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by akikomichi | 2018-04-29 21:02 | 詩小説 | Comments(0)

「自己の本質の可変性の問題とは、」彼はおずおずと話を切り出した、「長いこと大論争の主題であった。
例えば、偉大なるルクレティウスは、『物の本性について』の中で次のように語った。
『何であれ、自らの変化によって、その境界を超え出ていくものは、』つまり、己の殻を破っていくものはーあるいはむしろその限界を打破するものはーいわば、自分自身の規則を無視するものは、むろんそれは私見によればあまりにも自由なものであるが・・・・『そのものこそ』、ともかくもルクレティウスは主張する、『そうすることによって過去の自分自身に直ちに死をもたらすものなのである。』しかしながら、」と言い続けるかつての学校教師の指は上に向かった、「詩人のオイディウスはその『変身譚』において、真っ向から対立する見解を探った。彼の証言はこうである。『恰も姿形を変えるロウが』ー熟せられた時、例えば君も知っての通り、文書か何かを封印する時ー『新しいデザインを刻印され、姿を変えて以前とは異なって見えこそすれ、同じものとして実際留まるように、我々の魂も同様なことに、』ーおわかりかな、貴方様?我々の魂!我々の不死の本質!ー『依然として永遠に同じものとして留まるが、その遍歴の過程において変わり続ける形をとる。』」


けれどもお前こそ畜生め、私の引き出しのガラクタめ、私のバカげた詩を笑わば笑え。真に言語上の問題とは、いかにしてそれを曲折し、形造り、それを我々の自由とし、その毒された井戸を再び修復するか、いかにして血塗られた時代の言葉の河を習得するか、すべて人々がまだ鍵を見出していないことどもについてなのである。

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by akikomichi | 2018-04-27 23:10 | 詩小説 | Comments(0)

「山菜と遊仙菴」

山菜を採りにやってきた那珂川の現場の優しい監督さんご夫婦と犬のももちゃん。
先日は那珂川の現場となった遊仙菴のご主人にみなさんでお招きいただき、温かいおもてなしをしていただいた。
親方の81歳の誕生日も祝っていただき、ありがたいことであった。
仙厓さんがお好きだという遊仙菴のご主人の茅葺のお茶室には、仙厓さんが書いたのであろう○△□の書?があった。
海賊?と呼ばれた男、出光さんの子分だとおっしゃったそのご主人もまたネパールの子供さんたちのために学校を作ったりされて、ネパール親善大使のようなことをされているという。
心意気を感じさせていただいたのはもちろんであるが、親しみのある、にっこりされた笑顔にほっとさせていただき、ありがたい体験であった。
茅葺を通じて、心ある方々に出会えて本当に幸せである。
心の入ったものを作っていけたらと心底思う。

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by akikomichi | 2018-04-23 22:49 | 詩小説 | Comments(0)

打ち上げ

那珂川の茅葺お屋根の完成を祝い、バーベキューでの打ち上げ。

みなさんと打ち解けて、家族ぐるみの関係が心地よく、和んで、ゆっくりくつろげました。

このまま、ずっと、こういう和やかな場を持ち続けたいと心から願ってます。

恵まれているなあと心から思い、心地よく、ほろ酔いしておりました。

先輩の意志を継いで、皆一生懸命、力を出し切っておりました。

天国で見守ってくれることを願います。

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by akikomichi | 2018-04-08 22:09 | 詩小説 | Comments(0)

「もももすももも」

もももすももももものうちというが
ももにすももをつぎきして育てると
美味しいすももになるとお聞きした
そのももの木はもももなって
すもももなるのだろうか





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by akikomichi | 2018-04-02 22:42 | 詩小説 | Comments(0)