<   2017年 11月 ( 5 )   > この月の画像一覧

「殺文句」

殺してください。
といわれた。
ロープを徐ろに結ぶ。
ロープに輪っかを作ってその輪っかの首のところに、二度ぐるりとまわして締める。
それから、トラックの引っ掛かりを探して。
我々は、茅が動かぬように、力の限り、くびり殺すのだ。

ある方が亡くなった。
その方が亡くなったのは、あんたのせいだ。
といわれた。
見えないロープを力の限り首といわず全身に巻かれ締めあげられた。
ような。殺文句。

誰かのせいにしないといられない。
殺文句を吐くものは。
あんたが死のうとご自由にと言い放つ。
殺文句を吐き続けるもの。
死神の呪文は殺文句。







[PR]
by akikomichi | 2017-11-30 20:33 | 詩小説 | Comments(0)

「杉皮葺の屋根」

杉皮葺の屋根に生えた草を取りに伺った先でのことである。

杉皮葺は、どうやら、戦後、日田などで、杉などの林業が盛んになっていくにつれて、杉皮を廃棄するよりも利用するために始まったというようなことを家主の方に教わった。

杉皮を短冊状にしたものを、丹念に、丁寧に、一つ一つ茅葺の上に重ねていく作業は、根気のいることではあるが、そこで生まれてくる理由があったことを思うと、何事もただそこにあるわけではなく、そこにある理由があるということを思わずにはおれない。

自分が、今、ここにいる理由もまた、語り続けていくにつれ、見えてくることであろうとは思う。



[PR]
by akikomichi | 2017-11-21 23:25 | 詩小説 | Comments(0)

観音竹

てっぺんの葉の頭だけ背の伸びる 観音竹の陽のある方へ 
[PR]
by akikomichi | 2017-11-19 23:26 | 短歌 | Comments(0)

吉野ケ里

吉野ケ里 茅葺屋根の上に立ち 始まり終わり また始まりの雲
[PR]
by akikomichi | 2017-11-10 22:10 | 短歌 | Comments(0)

「赤子の夢」

赤子の夢を見ていた
ひたひたとあの方がおとずれる
といっていた
タゴールの幼子の歌を聴くように

あの何もないがらんどうの家には
風が通っていて
夕暮れの日差しが柔らかい砂がザラザラと辺りを包むように
時にみちたゆるやかな夜を連れてくるのだ

私は一人
そこにすわって
体内に満たされていく気配を育てていくように
そこにじいっとしていた






[PR]
by akikomichi | 2017-11-01 03:34 | 詩小説 | Comments(0)