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2014年 07月 30日 ( 8 )

坂道を登りきったら虹ふたつ かかっていました やまのむこうに
by akikomichi | 2014-07-30 21:22 | 短歌 | Comments(0)

ののしるだけではなにもかわらない 停戦あるのみ それぞれいきるため
by akikomichi | 2014-07-30 18:33 | 短歌 | Comments(0)

『男嫌い』

女はひどく男が嫌いであった。
女が好きなわけでもなかったが、とにかく男が嫌いであった。
特に、気色の悪い目で、女を舐めまわすように見る男が嫌いであった。
つけ回す男も嫌いであった。
壁に近づく男も嫌いであった。
上から見下ろす男も嫌いであった。

女はなぜ、男が嫌いになったのか。
よくわからなかった。
愛想がよく器量がいいわけでもなく、人と話すことが苦手で、口ごもるくせがあるので、自ずと人を避けるようになったせいかもしれないが。

ある女の子の言葉から、ふと自分の中に巣食っている、あることに気づいたのである。

夏の日の午後、暑さにやられてぼんやりと公園のベンチに座っていると、近所に住むボール遊びをしていた小さな女の子が、女の方にボールが転がってきたのを取りに、ちっちゃく走りながら、女を一目見て、やっと玉を見つけたみたいに、不意に打ち明け話をされた時のことであった。

あのね、わたし、きのう、こわいゆめをみたの。
泥棒がちいさな女の子を連れて、うちにやってきたの。
本当に、こわかった。

女の子は、それを誰かに伝えたかっただけなのか、ボールを拾うと、また無邪気にむこうにいってしまった。

知っていた女の子であった。

以前、風のうわさで、この辺りに変質者が出て、女の子に悪さをしたというので、近所の者達が血眼になって犯人を探したことがあった。
その甲斐があってか、犯人は捕まったのであったが、それ以来、女の子が一人でいると、気が気でなくなる、一種の強迫観念が、近隣界隈にはびこっていた。

女の子が、一人で壁打ちをしている。 
夕暮れの間延びした影と一緒にキャッチボールしているみたいに見えた。

あの壁には近づかないほうがいい。

女は、不意にそう思った。

そっちに行ってはいけない。

女の中の、小さな何かが叫んでいた。

そっちに行ってはいけない。あいつがやってくるよ。

女は、白日夢にうなされているような気になった。

この暑苦しい夏の日に、あの女の子が壁に向かって投げつけている影。

あの影こそが、彼女の言う夢にでてきた泥棒であり、それがいなくなるように、執拗に、それに向かって打ち付けているようにも見えた。

その時、女は、女の子と一緒にその影が何だったのか見つけたのであった。

かつて、少女であった女が、家の影につれていかれて、男に無理やり口に押し付けられたものが、なんであったのかが、蘇ったのであった。

男が嫌い。気持ち悪い。出て行け。近寄るな。

ボールが打ち付けられるごとに、女は寝言のように吐き出した。

男が嫌い。気持ち悪い。出て行け。近寄るな。

女の子は、夢の中から引きずり出してきた泥棒の影に、薄らぼんやりとした影に、女の中の女の子と一緒に、その影に復讐しているようでもあった。










by akikomichi | 2014-07-30 12:21 | 小説 | Comments(0)

幽霊は

幽霊は人の心に染み付いた一つの残像 残響 残心
by akikomichi | 2014-07-30 11:07 | 短歌 | Comments(0)

つくりたいものを

つくりたいものをつくりていきるならそれでいいのだ ひとのためでなし
by akikomichi | 2014-07-30 10:59 | 短歌 | Comments(0)

なまぬるい

なまぬるい朝の太陽くぐりぬけ 影を選んで走る影あり
by akikomichi | 2014-07-30 10:39 | Comments(0)