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炭焼き

炭焼きを拝見した。

日田で炭焼きをする方々がもういなくなる寸前のところで、有志の方々が、踏ん張っておられるので、以前、明楽園の床下に炭を敷き詰め湿気取りと空気清浄を兼ねて、たくさん譲っていただいたご恩もあり、御手伝いがてら伺ったのであった。

ちょうど、庄屋サロンの平野さんご夫妻が我が明楽園に遊びに来てくださったので、ご一緒してくださった。

釜の中まで入って、拝見させていただいた。
2メートルから2メートル弱ほどに切った木の枝や幹の丸い跡があった。
木が天井を支えながら、焼けていったのだ。
屋根になる土のドーム型の天井を作りながら、炭焼きもするという、昔の方々の知恵に圧倒される。
煙突と後で空気穴になる穴を塞いで、火を入れたのは、90歳にもなる最後の炭焼き職人的な方であったが、それを引き継いでいこうとしている中島さんはじめ若い方々もおられるようで、人の意思があるところ、そのものは、永らえるという、我々と同じ思いをされている仲間に出会えたようで、お互い助け合いながら、燃え尽きても、その後が残るまあるい天井のようになることをぼんやりと思いつつ、ニコニコと杉の葉っぱに火を入れた後、乾いた竹を膝でバンバンおりながら、火にくべている、まだまだお元気な好々爺然とした仙人のようなおじいちゃんを見ていた。

横で、高齢であろうが、しゃんとされた方が、チェンソーで、次の炭焼きの準備をされていたので、我々も、力仕事をさせていただいた。

「かし」は、重く、硬直した人を引きずっているようで、ちょっと、生生しいのであったが、その水気の重さが火を入れると、蒸気を煙突から吹き出すほど、抜けてくるという。

二日ほど経ったら、青い煙がのろしのように上がり、蒸気が抜けきって、本当の炭になっていく徴であるという。

青い狼煙を拝見しに、それから、炭が出来上がるまで、できる限り、見守りたいと思う。

by akikomichi | 2021-01-26 11:25 | 詩小説 | Comments(0)