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吉野ヶ里の先生

吉野ヶ里でお世話になった川上先生が亡くなられた。

川上先生は、いつもニコニコとされていて、駆け出しだった私にも、分け隔てなく、気さくに話しかけてくださった。

吉野ヶ里の茅葺屋根の作りに関しては、先生は、少し跳ね上がった神社仏閣的軒の形をイメージされながらも、より古代的に、あまり美しく作り込み過ぎないようにも、考慮されていたのを思い出していた。

この遺跡の建築の一部始終を知るように、作り手から見た、その当時の建物への思いを繋げていけるように、そこで何があったか、そこで何が生まれたか、を知っておくこと、歴史的観点を持つことで、より建物への深い思いを持ちうることを、教えてくださった。

吉野ヶ里「楼観」からの報告(安本美典)という本を読んだのも、川上先生の言葉を実践することであった。

吉野ヶ里から、炭化した米粒が一つ見つかったり、豚の骨が見つかったりしたというのは漠然と知っていたが、大和朝廷への変遷に少なからず関わっていたのではないか、少なくとも寄り添っていたのではないか。と思われるものを、「楼観」から、高いところからの眺めを持ち得たものたちの残した、墓や、堀、茅葺の家々の集まる集落の規模の大きさや力から、うかがい知ることができる。


吉野ヶ里の時空を超えたところまで辿っていくように、今ここの自分にできることを、再度、確認するように。

川上先生のご冥福をお祈り申し上げます。




by akikomichi | 2021-01-13 12:54 | 詩小説 | Comments(0)