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明楽園

杉皮葺の我が家の内装を手掛けている。

泥壁や漆喰を、上村さんやお兄さん、森まつさんが手伝ってくださり、せがれもひょこひょこきては古壁を剥がして解体してくれたりしている。

上村さんのお母様が美味しいご飯を作ってくださり、その合間に庭の梅を上村さんととりながら、梅酒を作られて、それをパウンドケーキなどに使うとおっしゃっていた。

野のイチゴも赤く色づき、食べると甘くはあるが、ハウス栽培では味わえない、野生の味というか、土と水と太陽の味をいっぱい吸い込んでいるような気がした。

花も咲き、実もなる、楽園のような、恵みの庭であることに感謝である。

この楽園のような家や庭を、明楽園と名付けようと思っている。

皆で作った囲炉裏のおかげで、地元の炭焼き釜を守る活動をされている佐藤さんや中島さんたちの作った炭火で、皆ですぐ近くの川で釣った魚を焼いたり、お兄さんが釣ってきてくれたイカを焼いたり、せがれと仕込んだ焼き鳥をしたり、昔からの親友の森の歌うたいの京子や太宰の扉をくれた職人仲間のこうちゃんやこうがくん、ラクシュミというインド家庭料理のお店をされているこうがくんのお母様のディプティさんなど友人たちが訪ねてきては囲みながら、ゆうるりとした時を過ごすことができるようになった。

今度はうなぎを釣ると意気込んでいる我々であるが。
ユキノシタの葉っぱや色々な庭に咲く花の天ぷらも今日してみたが、ほの甘く、花を食む鹿になったような心持ちがした。

それぞれが、好きなことをして、それぞれが思いをつなげて、和やかに過ごす時を慈しみ、楽しめることが何より嬉しいことである。

さらには、使っていなかった井戸の水を汲み上げて、水揚げ(汲み)式?を行いたい。

少しずつでも、人のぬくもりや息遣いのようなものを、この家の魂のようなものとして、ここに取り戻していけたらと思う。

by akikomichi | 2020-06-08 22:36 | 詩小説 | Comments(0)