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「杉皮葺の家の魂」

杉皮葺の家の近くを散歩していた。
蛍が魂のようにたゆたっていた。
蛍の魂は、きえゆくから美しいのだろうかと思いながらも。
小さな光の粒のような魂の明滅にぼーっとしていた。

今日、西加奈子さんの「まく子」を読んだ。
「永遠」に生きながらえてしまうという宇宙人。
持て余す永遠をどうすればいいかわからない宇宙人は、地球に永遠を放棄するか続けるか判断しにやってきたという。
何かを「まく」のが大好きな宇宙人。水をまく。石をまく。
小さな永遠から大きな永遠になっていくことがわかって、多分、思いの塊、魂もまいて帰って行った。という話。

杉皮葺の家を大切にされていたおばあちゃんの魂のような淡い蛍の光が家の方に帰って行った。
こっちにおいでと言ってくれたようで、嬉しかった。

このうちに住ませてもらうことになるかもしれないので、ご挨拶にやってきたのだ。
ここを愛した魂もまた一緒にいられますように。



by akikomichi | 2019-06-17 23:57 | 詩小説 | Comments(0)