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「遅れてやってきた茅葺への道黄金週間」般若寺篇

 「いけにえ」となって「金龍神」を鎮めた「般若姫」の墓所「般若寺」。

 ここもまた奥日田美建の親方と先輩方が手がけた茅葺の屋根のお寺の門である。

 少し高台から、屋根を俯瞰できる眼差しを持つことができる貴重な屋根でもある。

 屋根を下から拝見できることはもちろん、屋根の上に登っている時よりもなお、上の、遠くから屋根全体を拝見できるのである。上からの立体的な眼差しを獲得し、全方角的に茅葺を見られるということは、自分にとっては、貴重な体験であった。

 屋根は山の上というのもあり、周りに木が生い茂り、門の近くにも迫り来る勢いがあり、日当たり等を考えると、どちらかというと近くには何もない方が、茅葺屋根は長持ちすると言われているが、木の中に溶け込んだ、茅葺もまた、色目の違いが際立ちもし、美しいものではある。

 軒の隅がしゅっと美しく反り上がるところが、神社仏閣などで多く見られる造りで、それを踏襲しているものの、隅を作る職人の方々の個性もまた、僅かながらも、見て取れるようになってきたのは、目が出来てきたことにもなるかと嬉しくもあったが、何より、先輩方の名前をお聞きしながら、誰があの隅を作ったという、職人の責任のような、どこまで丈夫に長持ちし、美しく出来上がっているかの、毎回の、屋根葺きのあくなき挑戦でもあるので、その重みを感じつつ、ありがたく、拝見した次第である。

 三苫親方や上村先輩から、屋根に触って、その傾きを知ることが必要であると教えていただいて、特に良い形になった時などは、体で覚えるようにおっしゃっておられるが、全身体感覚を持って、体に取り込みたいものである

 そこの空気と、時を重ねた、歴史と物語とともに。




by akikomichi | 2018-05-28 09:46 | 詩小説 | Comments(0)