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「遅れてやってきた茅葺への道黄金週間」清狂草堂篇

 遅ればせながら、黄金週間中に拝見した茅葺への道のお話。

 山口県柳井市のホームパージより以下抜粋。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 柳井市遠崎妙円寺の境内にあり、月性展示館は幕末の海防論者で勤皇僧、月性に関わる書画、額画、巻軸、書翰、書冊などを展示しています。

 また、清狂草堂は月性がひらいた私塾で、松下村塾と並び討幕に活躍した多くの門人を生んでいます。


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 清狂草堂は奥日田美建の親方や先輩方が手がけたものであり、前々から拝見したかった茅葺の屋根であった。


 伊藤博文も足を運んだという清狂草堂。

 今も残る歴史的な茅葺の屋根の下に、清いながらもふつふつとしたものを内に秘めたものが集う場として、そこにあったのであろう。

 

 ここからすぐ近くに線路があり、時代と共存しながら、そこにあったのが印象的であったが、茅葺の屋根を葺き替えることによって、残り続ける、幕末の余韻に触れられるのも、その空気を伝え続けてくれるのもまた茅葺であることを思う。

 新しい茅で、再生可能な幕末の空気。

 いつまでも損なわれないように願う。


 屋根自体は、傷んでおらず、落ち着いた色味は安らぎながら息をし続け、柔らかいながらもぴんと張り詰めた軒や屋根面は職人の手で美しい姿を保ち続けるのである。




 月性師記念碑は明治40年に建てられ、篆額(石碑の題字)は毛利元昭、碑文は山縣有朋の選、筆は徳山の赤松連城。

「独り月性方外(僧)の身を以て慷慨義を唱え君を愛し国を憂うる己私より甚だし」とあり、月性の熱烈なる愛国精神が述べられていた。


 



慷慨義烈こうがいぎれつ

世の惨状を嘆き憤慨し、自らの義と情熱に駆られること。
慷慨は気持ちを高ぶらせて嘆くこと、意気盛んなこと。
義烈は義を守る心の強さ。
慷は心に康で、康は米印とY型に立てた糸巻きの固い心棒を描いた庚から成り、固い筋の入った穀物の外皮のことを示す。
そこから丈夫で固い、筋が通っているという意を持つ。
これに心がついて慷となり、心が強く高ぶることの意味となる。
慨は心に既。
既は皀に旡で、皀は穀物の一粒を意味し、旡は腹いっぱいになってため息をつく様を描いたもの。
穀物(ごちそう)を腹いっぱいに食べて限界まで行ってしまうことで、そこから「すでに」という意味を持つ。
これに心がついて慨となり、心がいっぱいになって胸が詰まる様を示す。



by akikomichi | 2018-05-28 09:18 | 詩小説 | Comments(0)