2018年 03月 26日
「沈丁花」
沈丁花がもうすぐ咲くでしょう。
といわれた。
屋根に登って茅をふいていたら、ふく風が甘いことに気づいた。
いつの間にか沈丁花が咲いていた。
この時期に咲くのですね。
あの地が揺れた時期に。
そうして、時が過ぎていくにつれ、そろそろと散ってしまうのですね。
風が記憶の土筆を掘り起こすような匂いを孕んできたのです。
そろそろと、生まれ変わる季節のようです。
by akikomichi
| 2018-03-26 22:38
| 詩小説
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