2016年 10月 01日
「青春の門」
「青春の門」は、福岡・筑豊に生まれた伊吹信介を主人公とする群像小説。シリーズ累計で2200万部に迫る大ベストセラーとなり、76年に吉川英治文学賞を受賞した。映画・ドラマ化され、漫画にもなった。再開に先立ち、12月15日には未刊だった第8部「風雲篇」の単行本と文庫が発売される。
五木さんは談話で「青春は凄春(せいしゅん)である。遠く離れて眺めることで、より明瞭になる季節もあるのではないか。主人公の青春のエンディングには、果たしてどのようなドラマが待ち受けているのだろう。作者の胸も期待に膨らむばかりだ」と意欲を見せている。
五木さんは32年福岡県生まれ。67年に「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞、2010年に「親鸞」で毎日出版文化賞特別賞を受賞した。
作家・翻訳家の中田耕治さんは「高齢に達してから書くというのは驚くべきことだ。物語は、主人公が人生のハイライトに差し掛かったところで中断している。作家としての成熟と主人公がどう重なるか、心躍る思いがする。期待しないわけにはいかない」と話した。【丸山進】