人気ブログランキング | 話題のタグを見る

足元から

足元から花を添えて死者を送ってください
棺の中に花があふれていきます
足元から花を添えて死者を縁取ってください
だんだんと花に包まれて逝きます
色紙に書いた別れの言葉も添えてください
ありがとうと
半身不随の左手でありがとうと書いてください
利き手が効かないので
ありがとうのあの字が書けなくたって
あ なのか お なのかわからなくてもいいのです
おりがとうにしかみえなくてもいいのです
心電図みたいに上がったり下がったりした字でもいいのです
最後にきいた
あっ というたましいを見つけたみたいな声でもいいのです
あっというまにやきばでなくなってしまった
あなたの肉は生きて あなたの骨は死んでそこにあった
生きている時ののどぼとけはころころうごく首の前の軟骨です
死んだ時ののどぼとけは首の後の第二脊髄です
骨が仏の姿になって祈っているように見えるから喉仏というのです
さあ 拾ってください
花はないけれど骨はある
骨は足元から拾ってください
骨壷の中でちゃんと立っていられるように
骨は足元から拾ってください
Commented by 川原時歌 at 2012-10-01 00:01 x
昨日はお疲れ様でした・・・この詩は昨日朗読された詩みたいな・・・
(間違いならスイマセン!)凄いインパクト有る詩ですね・・・まるで
肉体が自分の”生”の時間の存在に気付いて欲しい・・・との裏の気持ちに僕には聴こえて来ます・・・思いも付かない、ある意味、生の世界の詩の深い次元の詩とは言えないでしょうか・・・深く鋭い感受性と言うか洞察力の近藤さんは凄いと思います・・・ときか
Commented by akikomichi at 2012-10-01 07:47
川原時歌さん

本当にお疲れ様でした。
そして、いつもいつもありがとうございます。

詩ボクでは、この詩を読ませてもらいました。

時歌 さんの詩もまたお聞きできて嬉しかったです。
また、これからの時歌 さんの詩を聞かせていただけたらと思います。
あれからjunさんと電車で皆さんの詩を思い出しながら批評を交えて語り合いました。打ち上げの時、みなさんの言葉をもっとお聞きしておけばよかったなあと思いました。
by akikomichi | 2012-09-27 15:33 | | Comments(2)