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『カシミールの秋』『歓待』『趙夫人の地獄鍋』『奇跡』

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『カシミールの秋』(アーミン・バシール監督)
携帯を使えるようになる日常を喜ぶ市民のすぐ横で自爆テロが起こるカシミールのある青年の死。
幸福への道を断っているのは何なのか。
とりしまる世界か、取り調べの世界か。
若者は自分の血の海の中で何を思ったか。

『歓待』(深田晃司監督)
印刷所で細々と暮らす一家にやってきた昔の地縁の男。
籠から逃げた小鳥を探しているという張り紙を見て、近くで見かけたと言ってやってきたその男にはブラジル人の妻がいた。
そのブラジル人の妻と出来てしまった印刷所の主人と若い後妻が店のお金をごまかして腹違いの兄にお金をせびられている弱みに付け込んで、いつのまにか、その場を仕切っているその男。
色々な国の人が後から後からその家にやって来て、働き始めるが、若い後妻の誕生日を祝っている間お祭り騒ぎの家を見て、近所の自治会の人たちにけむたがられ不法滞在の取り締まりにあい、蹴散らされてしまう。トリックスターの物語か。

『趙夫人の地獄鍋』(ジェームス・リー監督)
これは目に見える地獄である。
カレー土鍋の中に地獄が凝縮されて、人々は知らず知らずの間に、その憎しみの鍋の中を血肉としている。
その憎しみは、肉親の憎しみ。肉欲の憎しみ。何より趙夫人の憎しみ。

『奇跡』
是枝監督作品。
地獄から仏のような物語。
新幹線と新幹線がすれ違う時に奇跡が起こるというこどもたち。
『誰も知らない』の無縁地獄から、それぞれの世界での『奇跡』を思う物語への昇華か。
どちらも、こどものまなざしを忘れていない。
くるりの曲がなんともせつなくあとをひく。
by akikomichi | 2011-09-23 22:28 | Comments(0)