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形から入る

形から入るように
心構えを持つように
と今日が最後のお勤めだった
心構えの師匠のシゲさんに言われて
ニッカポッカを手に入れた

オランダの子供服が起源というものもあるようで
ニッカポカーズといえば
オランダ移民のことだという
スポーツや軍服で使われていたという
もともと江戸時代やらの鳶職の方々のそれに近い形だというものもある

ニッカポッカをはいていると
いつも面白いお父さんのような大工さんが
板についてきたねえ
俺が若い頃はいとったのばやるばい
と言って大きな紺のニッカポッカをくださった
ありがたいことである 宝物にしたい


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by akikomichi | 2017-09-21 20:23 | 詩小説 | Comments(0)

ご安全に世界夫人よ




「さようなら世界夫人よ」

ヘルマン・ヘッセ 植村敏夫訳 作曲・編曲 Pantax's World

世界は がらくたの中に横たわり
かつてはとても愛していたのに
今 僕等にとって死神はもはや
それほど恐ろしくはないさ

さようなら世界夫人よ さあまた
若くつやつやと身を飾れ
僕等は君の泣き声と君の笑い声には
もう飽きた

世界は僕らに愛と涙を
絶えまなく与え続けてくれた
でも僕等は君の魔法には
もう夢など持っちゃいない

さようなら世界夫人よ さあまた
若くつやつやと身を飾れ
僕等は君の泣き声と君の笑い声には
もう飽きた

http://www.youtube.com/watch?v=Ao6Yyz6nEYo


〜〜〜〜〜〜〜

ヘッセへの続投詩

「ご安全に世界夫人よ」

世界は台風とミサイルの最中

死神は横たわり

葬儀の画像を探している


車輪の下を念入りに踏みつける暗黒世界夫人よ

車輪の上を手放しで転がしていく新世界夫人よ

車輪がパンクして走れない月世界夫人よ

我々はあなた方の街宣と冷笑には

もう飽きた


世界の目はカッシーニの燃え尽きる前の画像を見て

宇宙にはてた

かつてはとても愛していたのに

くらい宇宙の中で燃え果てたとしても

元に戻るだけのことであるにしても


ご安全に

世界夫人よ

さあまた

宇宙のクズから這い上がり

ご安全に

世界夫人よ

さあまた

夢々 思いもよらない死をまねくなかれ




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by akikomichi | 2017-09-18 21:49 | 詩小説 | Comments(0)

どの手が作るか

どの手が作るかで
茅葺が変わるとするならば
ただ見ているだけのものに
あっちに行けというものの手よりも
茅にのっかった小さなカエルを見つけて笑うものの手で
生きているものそのままのものをそのまま愛でるものの手で
作り続けていただきたい
いたずらに煽られきょうそうで追い立てられて作るよりも
丁寧にいきて作っていけるように
作り続けていきたい


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by akikomichi | 2017-09-18 20:20 | 詩小説 | Comments(0)

さしよし

雨風と太陽に削られていく時の再生をおこなうように
さしよしをする
だんだんにまだらになる
ふるいよしあしとあたらしいよしあし
さじかげんで平たくも固まりにもなる
まるで
我々のように
そこにおさまっていく時の束たち
どうか一つ一つが連なって
一つのものになるように
と祈るように
丁寧に生きるように
さしよしをする


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by akikomichi | 2017-09-15 22:48 | 詩小説 | Comments(0)

忘れることがないように



死神と出会って
魅入られてしまった方は
天上に行って幸せに暮らしていると
美山の中野親方はおっしゃった

それでも
なくなってしまった方を
忘れることができないものたちは
自分のやれることをやって生きて行くしかできない

残されたものたちは心を亡くすことなく
自分たちのできうることをすることでしか
受け継いでいくことでしか
報いることはできない

なくなった方の意思を受け継ぎ守っていけるように
心ある方々に出会えることで守っていけるように
そこだけは
忘れることがないように









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by akikomichi | 2017-09-11 01:22 | 詩小説 | Comments(0)

シゲさん

シゲさんが神奈川から助っ人にやってこられた。
とても大きな方である。
身長はもちろん、人間としても。
とても繊細で優しくもあるが、仕事に関しては厳しいだんどりの鬼と化す職人さんでもある。
茅の扱い方やみちぎに登る時の脚の踏ん張り方を教えていただく。
私が雨の中、フラフラして滑り落ちそうであったらしく、見るに見かねて教えてくださったのだった。
ありがたいことである。
いろいろ、学ばせていただけることに感謝である。

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by akikomichi | 2017-09-06 23:09 | 詩小説 | Comments(0)

からすとこじ開けと

からす で よし を引き出し
新しいよしを親方に手渡す
少しずつでも
先を見て進んでいけたらと思う
こじ開けを使い
二番鉾にしろ縄をかけ
みちぎに男結びで結わえることも
先輩にさせてもらえるようになった
少しずつでも先を見て進んでいけたらと思う
うちに回って鉄針を取る
アバカを竹に回すために
やらせてもらえないことよりも
やらせてもらえる喜びの大きいこと
教えていただいた方々に対する感謝となり
自分のできることを広げていけることへの感謝となり

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by akikomichi | 2017-08-31 20:03 | 詩小説 | Comments(0)

「風の波紋」

「風の波紋」というドキュメンタリーにも出てくる茅葺の屋根改修にも関わっておられる写真家の高松さんが、さしよし補修をしている現場に偶然、足を運ばれて訪ねてくださった。

自然に生きるということを実践されている方々で、自分の理想でもある。

狭い世界に閉じこもり、いがみ合うようなことがしたくないのなら、いろいろな世界を見て、存分に、味わっていきたい。

いつか尋ねてみたい。

世界が少し広がった気がする。

ありがたいことである。

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by akikomichi | 2017-08-30 20:27 | 詩小説 | Comments(0)

茅葺と陶芸と

星野村周辺を散策し、茅葺屋根やかつて先輩方が作られた屋根を見てきた。

星野村にある原爆の火も拝見した。
火は高いところにあり、遠くからしかそこに火があると気付かないくらいほのかな火であった。

茅葺の先輩の森けんさんが屋根を葺いたという山本源太さんの窯にも寄らせていただいた。

美味しいお茶と奥様のお手製の抹茶寒天の風味を源太さんの器が包んでいた。
その全ての、手触り肌触りをも美味しくいただく。

僕の星という鉄の星のようなイガイガが突出しているものを見て、サザエあるいは昔の鉄の玉にチェーンをつけて振り回す海賊の姿を思い浮かべたりしていた。
聞くところによると、源太さんは自分の名前をつけた星があるという。
そのイメージがここにあるのだ。
源太さんの詩集を森けんさんからいただき、じっくり読んでいる。
土と会話して、星野村にあるいろいろな風景と目と手と言葉と体全体で生まれだしていくものがそこにあり、私も源太さんと同じ道を歩いていることに気づく。
とても近しい詩や言葉の紡ぎ方。

今、私は手の力をとても信じている。
心から信頼している。


それから、お猪口と茶碗を、心から信頼し尊敬する先輩である上村さんと、心優しい森けんさんと作らせていただいた。
犬のロクちゃんがワシャワシャと肉球で背中を押してくれたり、匂いをクンクン嗅いでいた。
この匂いを含めての出会いを覚えてくれたに違いない。
土は滑らかで心地よく、人肌のきめを細かくしてくれる柔らかさであった。
そこにたまる土と水の混ざったものの中におたまじゃくしやヤゴが住んでいたくらい、すみごごちの良い土なのであった。
上村さんや森けんさんの手は大きく、手仕事をされている方のおおらかな大きな手は言ってみれば無骨なのであろうが、そこに力強さと全てを包み込むおおらかさと優しさのようなものを作り上げていくものを感じた。
この世界があって本当によかった。

茅葺も陶芸も人の手を通して作り上げられていく、柔らかいものなのだ。







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by akikomichi | 2017-08-23 05:16 | 詩小説 | Comments(0)

四十九日

四十九日が近くなり、盆でもあり、亡くなった先輩のお宅に皆さんと伺う。

奥様と子供さんはいつも通りの日々を過ごしておられるようであったが、大きな存在をなくしたことは、ご家族にとっても、私たちにとっても、未だに受け止めきれないもののように思われた。

写真の先輩は微笑んでおられるが、どこか上の方、遠くの方を見ているようで、もう、お話しすることも、教えていただくこともできない哀しみのようなものを置いて行かれたことを思った。

まだ、そこにおられるような、そのような気になることも、しばしばであった。

身が引き締まるような、何事もおろそかにできない、見えないものを感じるような。

犬の梅子ちゃんが、見知らぬ人々が来たので、びっくりしたのか、よく吠えていた。

梅子ちゃんの鳴き声が、いつまでも、帰り道にこだましていた。

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by akikomichi | 2017-08-13 21:11 | 詩小説 | Comments(0)