黒と赤と

ラーメンを先輩方と食べに行った 
焦がしニンニクの入った黒をいただく
赤は辛いという

そういえば
現場からの帰り際
道の向こうで交通規制がかかっていた
でかいトレーラーがUターンをしていた
赤い消防車が集まっていた
火事を捉えようとカメラが来ているようだった
黒煙は見えなかったけれど
駆けつけたサイレンの音は現場にも聞こえていた
以外と近くであったことに驚く
高速から赤いランプがくるくると回っているのが見えた

黙々と食べながら
美味しいと思いながら
どこからかほろ苦い味がしてきた
どうか
ご無事でありますように
と思うことしかできないが
器の隅に溜まった焦がした後の
黒いスープの上澄みを啜りながら
どうかどうかと思っていた




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# by akikomichi | 2017-06-15 21:40 | 詩小説 | Comments(0)

こじ開け

こじ開けでこじ開けたヨシの奥には竹のあり
みちひもをとおし
みちひもでみちぎをしっかりと男結びで結びつけるため
一つ一つの繰り返しが
一つの屋根を作り
一つのうちを作る
一つが全てに全てが一つになる
というのは
そういうことなのかもしれない
一つ一つで成り立っていくもの
そういうこうとに心血を注ぐこと



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# by akikomichi | 2017-06-12 20:42 | 詩小説 | Comments(0)

父さんが

父さんが作ってくれたカツ丼のつゆに浮かんだ卵のごとき月
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# by akikomichi | 2017-06-12 00:03 | 短歌 | Comments(0)

子供らの

子供らの顔を見るたび嬉しさのこみ上げてくる離れていようと
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# by akikomichi | 2017-06-11 23:58 | 短歌 | Comments(0)

博多にて

博多にて明日の試合の買い出しに どこにいようと同じ行い
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# by akikomichi | 2017-06-10 23:42 | 短歌 | Comments(0)

この山の上には

野いちごに 青山椒に 桑の実も この山の上にはなんでもある
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# by akikomichi | 2017-06-09 21:26 | 短歌 | Comments(0)

「カラスと差しヨシ」

初めて引き出しもののカラスを使いヨシを引き出した。

それから、差しヨシをした。

嬉しかった。

最初の一歩であった。

黒い烏が久しぶりにやってきて近くでないていた。

なんだか余計に嬉しかった。


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# by akikomichi | 2017-06-09 21:21 | 詩小説 | Comments(0)

剥製のように

剥製のように動かず固まった主のようなイノシシに出逢い
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# by akikomichi | 2017-06-08 20:05 | 短歌 | Comments(0)

暗闇の中
廊下を右足を引きずりながら歩いて転倒した父

右足と右手から転がった
右半身不随の父

転倒・つまずきの可能性あるところ
足元・手元注意

と言う文言を
一日の注意事項として毎日書き続ける現場の中

父の現場において
一日の注意事項が暗闇の中つまずいた

あと一年は生きるか否か
父は電話の向こうの暗闇で笑いながら言う

あなたは暗闇でもつまずいても
笑いながら生きてきたのだから

その暗闇の重みに耐えられるように
転倒・つまずきには注意


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# by akikomichi | 2017-06-07 22:22 | 詩小説 | Comments(0)

沢蟹の横歩き

雨の中 
杉皮の作業を終えて 
休み中
沢蟹 足元 横歩き 
両手鋏のこの蟹の
触覚のような目ん玉の
こちらを向いて横歩き
杉皮切った鋏ほど
でかくはないがなかなかの
挟み具合の鋏もち
さわさわ 目の前 横歩き
雨つぶ 避けて 横歩き
沢蟹と目が逢うたのだ
雨の中  






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# by akikomichi | 2017-06-07 21:37 | 詩小説 | Comments(0)

眠っている

眠っているアナグマを見た道の上 そのまま起き上がりそうに見えた
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# by akikomichi | 2017-06-06 21:29 | 短歌 | Comments(0)




古浄瑠璃『弘知法印御伝記』(こうちほういんごでんき)

古浄瑠璃『弘知法印御伝記』の写真
写真 島倉英嗣

17世紀の末、人形浄瑠璃は歌舞伎と並んで、庶民の間で最も人気がある娯楽でした。そうした時代の中、人形浄瑠璃『弘知法印御伝記』は、1685年に江戸日本橋の説教座で上演されました。
江戸時代、日本は鎖国をしていたが、オランダとだけは交易をしていました。そのオランダ商館が長崎にあり、博物学者でもあったドイツ人の医師、ケンペルは、1692年に帰国する際、この台本を船の積み荷の下に隠して持ち出しました。やがて、日本に原本が存在しない幻の浄瑠璃となりました。
それから300年以上の時が過ぎて、1962年、ケンブリッジ大学で日本の中世演劇を教えていた早稲田大学の鳥越文藏先生が大英博物館で発見しました。
六段からなる浄瑠璃に仕立てられた『弘知法印御伝記』は、新潟県長岡市寺泊の西生寺に日本最古の即身仏として安置されている弘智法印にまつわる伝説をもとに、虚構を加えた高僧の一代記で、当時の庶民の人生観や宗教心を生き生きと描き出す貴重な浄瑠璃です。



~~~~~~~~~~

>新潟県長岡市寺泊の西生寺に日本最古の即身仏として安置されている弘智法印にまつわる伝説をもとに、虚構を加えた高僧の一代記


と言う。

再現できることの喜ばしさ。

昔と今をつなぐものとしての物語の有り様を見た。


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# by akikomichi | 2017-06-05 20:25 | 日記 | Comments(0)

骨と肉体

骨になる前に肉体を動かしていく方が良い
骨だけでは動けなかったものが
動き回れるようになったのは肉を持ったからでもあり
動き回るばねを持つ肉こそが骨を守り続けていたのだ
それでも
聞く耳をもたず
骨になるまで嘆くものよ
あなたもそろそろ嘆き疲れはてたであろうが
最後まで
骨の髄が空になるまで
骨になるまでカラカラと嘆き続けるのだろうが
骨はもう自らの意思で動きはしまい
ただそこで掘り起こされるのを待っているだけなのだ

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# by akikomichi | 2017-06-05 16:55 | 詩小説 | Comments(0)

健康診断

働いて動き回りてちょうど良い体となりて健康診断
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# by akikomichi | 2017-06-05 16:33 | 短歌 | Comments(0)

腰をいれ

腰をいれふわふわせずに職人の本物となりわかればいい重み
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# by akikomichi | 2017-06-04 21:08 | 短歌 | Comments(0)

竜巻のような

煙風巻きあげ渦巻き舞い上がる 
竜巻のようなものを見たまひる
鳶が丘の上を舞いながら渦を巻いていた
皆がめを回すような
めくるめくまひるの暑さだ

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# by akikomichi | 2017-06-04 20:59 | 詩小説 | Comments(0)

桑の実

桑の実の粒の残りて吉野ケ里 丘の上にて風待つブランコ
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# by akikomichi | 2017-06-03 19:57 | 短歌 | Comments(0)

柿談義

親方と柿談義に花がさき 渋いものほど長く生きると
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# by akikomichi | 2017-06-02 21:15 | 短歌 | Comments(0)

七島藺(シチトウイ)

七島藺(シチトウイ)は庶民のものであったという
今は行き渡るほどなく貴重なものになったという
七島というのはトカラ列島のことだという
藺草(イグサ)の仲間ではあるが
柔道の畳にも使われるほど丈夫であるという
比較的暖かい場所で育つもので
沖縄などではマングローブの近くにも生えているという
暑い日差しにさらされて
強度を持つようになったのだろうか
寒いところの木々草々は美しくするりと偲びながら立っているような
暖かいところの木々草々は伸びやかにゆるりと立っているが強靭な図太さがあるような

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# by akikomichi | 2017-06-01 22:44 | 詩小説 | Comments(0)

ささ葺きの家

ささ葺きの家があるという
ささで葺くということを
知らなかった
茅 よしに限らず
いろいろな素材を葺くことで
いい塩梅のところを手探りしながら
今の形になっていったのであろうことが
想像できる


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# by akikomichi | 2017-05-31 22:05 | 詩小説 | Comments(0)

杉皮

剥き出しの杉皮の束を手探りで束ねて締める黒紐の日々
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# by akikomichi | 2017-05-31 20:05 | 短歌 | Comments(0)

柿渋

丘の上
柿渋を木肌に馴染ませ
大工さんが刷毛で塗る
柿渋の一番渋と二番渋
色の違いはあろうとも
同じ生青い柿から絞り出された汁
発酵されて馴染んでいくのは
青く渋い時に包まれたものだ


 

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# by akikomichi | 2017-05-30 21:35 | 詩小説 | Comments(0)

なくしもの

夢を見た
カバンをなくした夢
その中身も探したが見つからない
何もかもなくしたさみしい気分になった

なくし者には気をつけようと思いつつ
仕事をしていると
警察から電話がかかってきた
夢は正夢で何かやばいことがあったかと思った

子供のお財布を届けてくださった方がいたそうで
何もかもなくしたわけではなく
どこかで知らない拾ってくれた方がいたということ
誠にありがたきことかな

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# by akikomichi | 2017-05-29 21:06 | 夢詩  | Comments(0)

午前二時に

夢を見て午前二時に目がさえた 心臓が動く音とともに
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# by akikomichi | 2017-05-28 15:19 | 短歌 | Comments(0)

野いちご

摘み取った野いちごのみのなりようは高速で止まり初めて知るもの
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# by akikomichi | 2017-05-26 21:00 | 短歌 | Comments(0)

「けらば」

道すがら
けらばが気になってしょうがない
どのうちの屋根を見ても
けらばを探している
さいきんけらばに目が行くようになった
屋根はもちろんだが
細部を確認したくなるようになったのは
けらばとは何かを探しているからである
屋根とは何かを探していると
けら場とは何かに突き当る
いずれ全てに及んでくるとは思うが
今は屋根からけらばへ続いている流れが知りたい



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# by akikomichi | 2017-05-26 20:55 | 詩小説 | Comments(0)

「霧の道」

夜に出かけることはほとんど無いのだが
今日は用事があり
山の麓まで行く

最初 
誰かの亡霊かと思った
ゆらゆらと蠢めくものが近づいてきた

前が見えなくなった
柔らかい霧が漂うていた
雲の上に住んで漂うているような日々のただ中

山の裾野まで霧衣が
雨と風にあおられてゆらゆらしていた
山の道は霧の道


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# by akikomichi | 2017-05-24 21:59 | 詩小説 | Comments(0)

地下たびと花火と


地下たびを取り替えに無法松に行き
教えていただいた川沿いの温泉につかり
その帰り道
日田の花火が上がるのを見た
1年ほど前にも見た
福島の花火を思い出した
あの時は鍵を探している人と
津波にのまれた木々と出会ったのは
たびの途中のことだった
時間は花火よりも早く散り散りになり
瞬きしている間に
すっと暗闇に消えていくが
山の暗闇にも慣れて
怖いものなどなくなったように
ひょっこり現れた
タヌキに出会うように
偶然に感謝して
坂道を登り詰めたところで
生き延びていくのだ


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# by akikomichi | 2017-05-21 22:29 | 詩小説 | Comments(0)

「雉の鳴き声」

昼のこと
茅葺の屋根のそばで憩いながら夢現つの最中
キーと高く何かが鳴いた
目を開けると草むらの真中に赤と緑の際立つ鳥の姿が目の中に飛び込んできた
雉がすぐ近くで立っていた
雉の鳴き声を初めて聞いた
放し飼いにされている雉の鳴き声を聞いた
番になって相聞歌のようにないてお互いの居所を探しているのだ
目に見えない片割れが丘の向こうの草むらで
キーと鳴いていた


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# by akikomichi | 2017-05-17 20:10 | 詩小説 | Comments(0)

「大鴉との勝負どころ」

大鴉は朝頃やってきた
警戒することもなく優雅にそれでいて意外ときょとんとした目をして
作りかけの屋根の上に乗っかって悠々としている
しかし昨日はツボの中にあるタブレットに気づかなかったようである
ひとまず勝負あり
鉛筆のように先が削がれた木の杭の上でも遠くを見ていた
あの大鴉は本当にあどけなく優雅であった
また明日会えるといいが


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# by akikomichi | 2017-05-16 21:14 | 詩小説 | Comments(0)