「蛇の疑問」

昨日のこと。

作業場にて、杉皮の束を作るために軽トラックの置いてあるところから杉皮の置いてある奥の方に歩いて行こうとしている時。

坂道の途中で、蛇が腹を見せて息絶えていた。

はてなまーくのように肢体を曲げて、全身全霊の疑問がとぐろを巻いているように、そこにあった。

はげしい雨が降り出した。

携帯からも、地域の放送からも、警戒警報が鳴り響いた。

子供の頃、父親の仕事の関係で暮らしていた、イランで初めて聞いた、イラクから爆撃機が飛んできた日の警報を思い出していた。

あの日は、蒸し暑かった。

夕方のことであった。

花火のように流れ落ちていく、赤い爆弾を初めて見た日。

人が死ぬことを前提にした、ミサイルの雨が花火のように点々と流れ落ちた日。

私たちは、何をしているのだろうか。

死ぬために生きているのだろうか。

生きるために生きているつもりで、心の奥そこでは、自分が死ぬのを、坂道の途中で、待っているのだろうか。

蛇は全身全霊で、死をもって、その疑問を形にしていた。










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by akikomichi | 2017-07-06 08:37 | 詩小説 | Comments(0)