「足枷」

第一回プラチナブロガーコンテスト



足枷をつけた。

1.5キロと1.5キロの足枷を左右の足に。

何も鎖に繋がれているわけではない。

筋肉の楔形の鎧をつけるために。

老人になったように、両足に、腰に、両肩に背負うという重りをつけて、よろよろと歩くように。

父はいつも足枷をつけている。

麻痺した右足と右手を引きずって歩く。

少しだけ重りの整形をするように、足を固定する軽やかなサポートをつけて。

歳を重ねるということは、肉体や頭脳が軽やかになる一方で、身動きができないほどの麻痺という重りを背負うこともある。

思うように歩き回ることができない。


俺は犬のように歩き回る方がいい。家にじっとしているとおかしくなる。体も頭も。


見えない重りをつけて、右肩が少し歪んでしまった父が言う。


足枷をつけた。

廊下をひたひたと歩いた、見えないものが見えるように、ひたひたと歩いた。




アート・デザイン部門

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by akikomichi | 2017-01-12 20:49 | 詩小説 | Comments(0)