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『剣先とペン先』

剣先が定まらない。
体は真正面を向いている。
目線もまた前を向く。
剣先だけがまだどこを目指すのか定まっていない。
体が気を飲み込むように一つになり動き出したら、剣先だけではなく、全てが相手に向かっていく。
全身全霊で向かっていくのだ。

ペン先は白いまま。
インクのシミは線を待っている。
線上のペン先は命の吹きだし。
人の形は白から黒く立ち上がる、あるいは、したいを縁取る。
生きるか死ぬか。
浮かび上がるものに身を委ねるのだ。
by akikomichi | 2016-09-17 23:48 | 詩小説 | Comments(0)