生活道路と生活エリアの安全性確保から

嘘も見せかけも虚勢もいらない。
観光よりも、まず、そこで暮らす人のために整備していくことを考えて欲しい。
生活道路と生活エリアの安全性確保から。次につながる。

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 国立公園の機能を世界水準に高め、外国人観光客を呼び込もうという環境省の「国立公園満喫プロジェクト」が、「阿蘇くじゅう」(熊本、大分県)で動きだした。推進へ課題を洗い出す官民の協議会が1日、阿蘇市で初会合を開き、環境を整備する議論の舞台ができた。熊本地震に痛めつけられた試練を乗り越え、大自然の魅力を内外に発信していく道筋が、震災からの復興の力になる。

 ■特色を生かして

 満喫プロジェクトは、全国に32ある国立公園の中から阿蘇くじゅうなど8公園を選定し、特色を生かして外国人観光客の誘致につながる整備を進める。阿蘇くじゅうでいえば、火山、草原、温泉、登山などを楽しんでもらえるよう、公園域を再整備する。

 阿蘇くじゅう地域でその方向や課題を議論し、具体策をまとめるのは、阿蘇くじゅう地域協議会。事務局を務める環境省九州地方環境事務所は初会合で、空港と結ぶ交通や、魅力的な旅行プランの提供、上質な滞在環境の整備、自然体験型観光へのいざない-などを重点課題に挙げた。

 その中で、阿蘇については「草千里ケ浜の草原景観を再生する」「景観を阻害する廃屋を撤去する」など懸案を指摘。震災には「地震の爪痕の状況と復興の過程を観光資源と捉える」と述べ、火山の活動を含めて地球の諸活動に身近に接する場として活用する-という考えを出している。

 ■復活へ一歩一歩

 地震では、阿蘇谷を貫く幹線の国道57号が立野地区(南阿蘇村)で断たれるなど、観光客の多くが利用する道路は各地でずたずたになった。発生から間もなく5カ月になろうとする今、57号がいつ復旧するかはまだ見通せない。

 しかし、大分県日田市を経て福岡方面と結ぶ国道212号が、大分県側で復旧工事が進んで通行可能になるなど、進入路は徐々に回復してきている。草千里ケ浜に登る県道の復活も、9月中と見込まれる。観光客の足がすっかり遠のいた阿蘇にとって、復活へ一歩一歩、というところだ。

 被災地の状況を踏まえながら動きだした満喫プロジェクトは観光地に希望を与えている。火山学者で阿蘇火山博物館学術顧問の須藤靖明さんは「観光客を受け入れる環境が整備されるのは復興の力になる。プロジェクトによって阿蘇を世界に売り込むブランドを作り上げていく」と歓迎する。

 阿蘇山上で観光業に関わる人たちの意識も変化し始めている。先日、阿蘇市であった会合ではこんな発言が聞かれた。

 「山上観光は活動を続ける中岳火口に頼りきり、観光客を楽しませる工夫を怠ってきた。これからは体験型の新しいプログラムを提供するなど、喜んでもらうための工夫が必要だ」

 「熊本地震の影響は九州全域に及んでいる。熊本が痛めつけられたことで九州の観光の様相が変わった。多くの人が訪れる阿蘇山は九州観光を担っている」

 満喫プロジェクトが真に阿蘇観光復活の力になることを期待したい。

=2016/09/11付 西日本新聞朝刊=
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by akikomichi | 2016-09-11 07:56 | 日記 | Comments(0)