『さいきんのこと』

さいきんのことを考えていた。

PETボトルを分解し、喰い散らかす、さいきんが発見されたという。

水が入った透明な器の内側で少しづつ溶け出しているポリエチレンテレフレートを内外問わず見えない力が働いたように極細極小の世界において、たらふく喰い散らかし、毒をも栄養として食らうのだ。

そもそも、酸素も毒であった、この地上で、その毒を思い切り吸い込むことができるものが繁殖していったのが、この世界であった。

だとすると、この世界にあふれているPET(ポリエチレンテレフレート)を制するものが、今後の世界を蹂躙していく可能性もあるという訳だ。

私は、さいきんのことを思った。

私の体内にあるさいきんのことを。

さいきんを育てているのだ。

胃の中にかかわらず、体中に、拡散されていく、このさいきんのことを。

心臓の中にも、血の中にも、胃の中にも、子宮の中にも、眼球の中にも舌の上さえ、転がっていく、さいきんのことを。

これから、進化していく上で、生物には、必要なさいきんのことを。

宇宙に帰っていく上で、これは必要な条件となっていくであろう。

PETを分解し栄養にできること。

すべてのもが、栄養にできることこそ、宇宙において、繁殖できる条件なのだから。

私は、そのさいきんと共生一体化した、最初のものとなるのだ。

ああ、肌が心なしかぽこぽこと音を立ててなかなか、もとに戻らないようになったものをも侵食して栄養素とし、ついには、同化することを願う。

これが、宇宙のどうかした、さいきんのことである。












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by akikomichi | 2016-03-12 10:39 | 詩小説 | Comments(0)