「九段線」の違法性など

 【マニラ、北京時事】南シナ海でのフィリピンと中国との領有権紛争に関してフィリピンが起こした国際仲裁手続きで、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は、裁判所の管轄権を認める判断を出した。仲裁手続きに反発する中国にとっては、米艦による人工島周辺の航行に続き、「国際的な圧力」(米軍事筋)となり、中国外務省は声明で「決定は無効で拘束力はない」と強く反発。ただ、最大の焦点となる中国の「九段線」が国際法に違反するかどうかについては管轄権に関する判断を避けており、本格審理でのフィリピン側の主張や、手続きに参加していない中国の出方に左右されることになりそうだ。
 軍事力で中国に劣るフィリピンは2013年、「法の支配」の面から中国に対抗する戦略として、紛争解決を国際司法の舞台に委ねる方針を表明。裁判所の管轄権に関する判断を「前哨戦」と捉え、法律チームに米国の有力弁護士を加えたほか、7月の口頭弁論では関係閣僚や国会議員が参加するなど「総力戦」で臨んだ。このため、今回の決定は「解決に向けた重要な一歩」(政権幹部)と喜ぶ。
 ただ、管轄権を直接認めたのは、フィリピンが主張した15項目のうち、中国が人工島造成を進める南沙(英語名スプラトリー)諸島のミスチーフ(中国名・美済)礁などが領海の起点とならない暗礁に当たるのかや、中沙諸島・スカボロー礁でフィリピン住民の漁業活動を中国が違法に妨害しているかなど7項目に限られた。
 「九段線」の違法性などの項目については、国連海洋法条約が適用されるかどうか判断を留保し、今後の審理に委ねられることになった。裁判所は16年に決定を出す見通しだが、フィリピン側の言い分が認められれば、「領海」を構成しないとして人工島の12カイリ内に艦船を派遣した米国の主張にも正当性を与えることになる。(2015/10/30-17:24)



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by akikomichi | 2015-11-21 19:08 | 日記 | Comments(0)