『ルンタ』

ドキュメンタリー映画『ルンタ』を見る。

チベット語で『風の馬』。

山の中、丘の上、青い空の下、いろとりどりの旗が祈るようにはためく音が、なんだか馬がかけている音に聞こえると、インドに亡命しているチベットの人を援助している人がいう。

焼身自殺をした多くのチベットの人のことを、生きて死んだ記憶を、輪廻の途中の悪夢のように、辿る。

とぎれとぎれに記憶を失うように、暗闇で目をつぶる。

悪夢が現実を踏みつける。


人は人を管理するために、何年も牢獄に入れ、電気ショックを与えたという。

失神すると水をかけて、また電気ショック。

肋骨が折れては面倒なので、電気ショックを与えるらしい。


やられればやられるほど、憎しみが膨れ上がる。


中国に侵略されたチベットは今も、侵略され続けている。

誰だろう。

中国が侵略するわけがないと言っているものは。

いままさに侵略しているというのに。

目の前のことに目を背ける、目の見えないに等しいものには風の馬の音もきこえない。


外国メディアに告発し、山にこもって、隣国に逃げきった僧と、亡くなった僧。

抵抗運動で監獄に入れられ、指に釘を打たれ、吊るされたものの、折られた足。

ぼりぼりと足が折られる音もきこえない。



言葉が奪われて、土地が奪われて、逃げて、それでも生きて、死んでゆく。

輪廻の中。


人はかわるのだろうか。




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Commented by sukebass117 at 2016-02-15 02:19
コメント失礼します
自分はチベットへは行ったことがないのですが、本当にこの現状を心苦しく思っています
おっしゃる通り、繰り返すしかないのか、本当に変われないのか、自分も見つめ直さなければいけないと強く思いました。
Commented by akikomichi at 2016-02-16 14:30
コメントありがとうございます。

以前の記事まで、見ていただいて、ありがとうございます。

「ルンタ」を見られたならば、そう思わずにはいられません。
最初は、優しく、しかし、徐々に、支配されていく有様を見て、人事ではないなと。

sukebass177さんのブログもじっくり拝見させていただきますね。
もしかして、ドラムの外山明さんともセッションされている方なのでしょうか。
一度、倉地久美夫さんのライブで、外山さんのドラムを拝聴し、度肝を抜かれたものです。
本当に、いい音楽には救われます。
今後も、いい音を追求されてください。
楽しみにしております。
by akikomichi | 2015-09-30 15:30 | 日記 | Comments(2)