『双子見たもの』

双子だとは知らなかった。
はじめ部屋に入ってきた人と、また同じ顔の人が入ってきたものだから。
名札がなかったら、区別も認識もできなかったであろう。

同じ夢を見たことがあるか。
聞いてみた。
流行病の時、同じものを見たと彼らはいった。

天井に恐ろしいものを見たというのだ。
何を見たのかはよく分からなかったという。
ただ同じものを見たとだけ言うのだった。

今、目の前の壁に背を向けてたっているものを。
たしかに同じものだと思えるものを見ている私がいた。

もしかしたら、彼らの見た、恐ろしいものとは。
悪夢のようにそこにいる私だったのかもしれない。



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by akikomichi | 2015-06-20 00:03 | 詩小説 | Comments(0)