『蛍日記』

5月31日 日曜日 晴れ。
9時。


昨日の蛍が同じ所で光っていた。
踏まれていなかった。
他の蛍が飛び出すことを待っていた。
ここにいるとわかっているのに。
土からはいだしてこないとわからないのだ。
そこにいることも。

去年からよく蛍を見に来られる方がおっしゃっていた。

今年は水の音がしない気がする。
水が流れていないと蛍はでてこないんじゃないと。

蛍は成虫になると水しか飲まないという。
水の流れのあるところを好むのはゲンジで、田んぼなどのためてある水でも生息できるのがヘイケだという。

今ここにいるゲンジは辛うじて、ほそぼそと流れている水の音にひかれて、柔らかい光を放って生きているのだろうか。
蛍の水力発電。
再生可能?
番になり、百匹ほど産んだ卵は小さく光るという。
そのこらの5%が生き残るという。
再生。
再び生まれるこの命。


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by akikomichi | 2015-05-31 22:11 | 詩小説 | Comments(0)