中国が軍事目的で岩礁を埋め立てているとの見方が裏付けられた

http://jp.wsj.com/articles/SB11729237550577364065404581014521948850248



米軍偵察機が南シナ海スプラトリー諸島で撮影した中国が建設中の人工島(5月21日に米海軍が公開した映像からの静止画像) Reuters

 南シナ海で中国が建設中の人工島のひとつに兵器が配備されている様子が、米軍の偵察機が撮影した画像に写っていたことが分かった。米政府関係者が明らかにした。中国が軍事目的で岩礁を埋め立てているとの見方が裏付けられた形だ。

 偵察機が撮影した画像には中国が約1カ月前に建設した人工島のひとつに設置されている砲撃装置2基が写っていた。この装置は米軍機や艦船に対して脅威を与えるものではないものの、周辺海域の島しょが射程内に入っている可能性がある。また、中国はこれまで、人工島は主に民用目的だと公に説明してきたが、砲撃装置の存在はこの説明と矛盾している。

 米政府関係者は28日、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、「軍事的な脅威はない」としながらも、「象徴的な意味がある」と話した。

 米政府関係者によると、米国に対する軍事的脅威はないものの、ベトナムが領有権を主張し、各種兵器を配備している島のひとつが射程内に入っている。ベトナム政府関係者は今のところコメントの求めに応じていない。

 在ワシントン中国大使館の報道官は、人工島の兵器に関する具体的な言及は避けながらも、スプラトリー諸島(南沙諸島)での開発は主に民用目的だと説明した。

 同報道官は「南沙諸島が中国の領海であることを強調する。中国は(領海内の)島しょや岩礁などに軍事防衛に必要な施設を配備するあらゆる権利を有する」とし、「だが、そうした島しょや岩礁の施設は主に民用目的だ」と述べた。

 米中両国をはじめ、アジア各国の首脳は29日から3日間の予定で開催されるアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)に出席するため、シンガポールに集結しつつある。毎年開催される同会議はアジアで最も重要な安全保障会議だ。米中両国は南シナ海で中国が建設中の人工島をめぐり、対立が激化している。

 アジア訪問中のカーター米国防長官に同行している国防総省のジェフ・プール報道官はこの件についてコメントを避けた。カーター長官は先に、中国など領有権を主張する国や地域が埋め立て作業を「恒久的に停止」するよう訴えた。その際、米国は中国と異なり、その地域内のいかなる島についても領有権を主張するものではなく、地域の安定を求めていると述べた。

 米国は海軍の偵察機を人工島付近の上空に派遣してきたほか、偵察衛星を使って監視してきた。米国と同盟諸国は以前、中国が人工島にレーダー装置を配備し、滑走路を建設していると指摘していた。

 米政府関係者によると、砲撃装置を最初に発見したのは約1カ月前だという。ある政府高官は「われわれはしばらくの間、気付いていた」と話した。

 ただ、政府関係者によると、これらの装置は最近になって取り除かれたか、もしくは意図的に覆い隠されている。現在はなぜ目視できないのか、その理由も方法も不明だという。

 一方、中国外務省の華春瑩報道官は28日、米国は「中国の建設作業について不適切な発言」を行っているとし、人工島の建設は中国の主権の範囲内だと述べた。

 華氏をはじめ複数の中国の政府関係者は、米国が他国の建設作業について「選択的に沈黙」していることは二重基準だと批判している。

 華氏は名指ししなかったものの、ベトナム、台湾、マレーシア、フィリピンが埋め立てなどを行っている。華氏は恒例会見で「それが二重基準でなければ、そこには隠された動機があるに違いない」と述べた。


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by akikomichi | 2015-05-29 16:36 | 日記 | Comments(0)