『蛍日記』

5月26日・27日 晴れ

11時過ぎから深夜。

蛍も人もいない。

自転車と収集車が通り過ぎていった。

石畳に吸い付くように、可燃物を食べるように。

しかし、蛍は無言を貫く。

昨日より背を伸ばし月腹が肥えたのは気のせいではない。

ふと、亡くなった人を思い出す。

ここをいつも通り抜けた人々。

よお。何してる。

と、もう言わない。

白く濁った老眼ももうない。

帰り際、月に蚊帳をつったような膜がかかっていた。



[PR]
by akikomichi | 2015-05-27 00:21 | 詩小説 | Comments(0)