『蛍日記』

5月25日、晴れ。遠くで地震あり。


11:00。
遅すぎたのか。
蛍、翔ばず。
蛙の声だけが響く。
あんまり光るから、蛙がこちらの方へ寄ってきている。
喰われたか。

去年、いや一昨年は猫が水を飲みにやってきていたから。
猫じゃらしにされて、挙句の果て、猫に飲みこまれたか。
あるいは、暑さにやられたか。
と、いいながら。
蛍をずうっと待っていた。

人の話し声も聞こえてきた。
蛍は光ろうともしない。
夜に飲み込まれたか。

虫の知らせよりも、閉店の知らせ。
蛍の光が近くのスーパーで流れはじめた。
シャッターはおろされた。
もう、誰もが帰る時間のようだが。

人の話し声だけが、遠くの方で、聞こえている。





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by akikomichi | 2015-05-25 23:32 | 詩小説 | Comments(0)