2015年 03月 27日
嘆きのピエタ
車いすにのった男が冒頭、首をつって死ぬ。
機械工の町でのこと。
歯車となる部品を作るたこつぼのような個人経営の店がのきを連ねている。
車輪を回すのにも不景気でか、借金で火の車となり、取り立て屋に障害者になって金を返すよう言われたものの末路。
積まれたのはゴミクズかクズテツかパイプか借金か。
妙に生々しいのは監督がそういう仕事(機械工の方)をしていたからであろうが。
人だけが機械に挟まれ使えなくなったり、墜落して歩けなくなったり、死んでいく。
在る時、借金の取り立て屋の前に母親が現れる。
生き別れた母という。
その女は、子守唄を歌いながら執拗に借金取りにチェーンを掛けるように、あるいはやわらかい糸で借金取りを絡めとっていく。
死んだ息子の復讐のためにきたその女は、確かに借金取りにとっての失われた母なのであった。
by akikomichi
| 2015-03-27 00:04
| 日記
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