中国東部の温州は起業家精神にあふれた街として知られている。また、この地方の方言は標準的な中国語と大きく異なり、多くの中国人は別の言語だと考えているほどだ。

 この地はまた、教会でも有名だ。「中国のエルサレム」と呼ばれることもあり、非常に多くの教会が林立している。さまざまな推定によると、中国には数千万人のキリスト教徒がいるが、中国政府は教会を厳しい監視下に置いている。

 今年、温州では教会の強制取り壊しや十字架の撤去を拒否するキリスト教徒が警察と衝突した。当局者は場所に関する規制違反を指摘しているが、地元住民は教会とキリスト教のシンボルがターゲットにされたと確信している。

 地元メディアは24日夜、温州の教育当局が地元の学校に対してクリスマスを祝わないよう命じたと報じた。

 キリスト教に対する当局の厳しい姿勢は、仕事のつながりなどを通して海外に転居した温州出身者たちの間に懸念を招いている。そうしたコミュニティーの一つがニューヨーク市クイーンズ地区のフラッシングで、この地域には大勢の中国人が住んでいる。温州の教会が十字架の撤去をめぐって困難に直面していると聞いて、今年に入り、フラッシング地域の複数の教会が合同で温州の教会のために祈りをささげた。

 教会のリーダーらは、フラッシング在住の温州出身のキリスト教徒が多くの共通点を持つにもかかわらず、それまで一つの場所に集まろうとしたことがなかったと指摘した。

 フラッシングのフェイス・バイブル・チャーチのジョン・ヤン牧師は「いろんな教会のリーダーたちと数回にわたってミーティングを開き、共に祈った。その後、合同でクリスマスの奉仕活動を行おうと考えた」と話した。

 同牧師は、温州ではこうした集まりを成功させるのは難しいだろうと話す。温州では、信者が秘密を守りたいと思わない限りは、こうしたクリスマスの大きな祝賀は教会の中でしか許されないからだ。

 フラッシングで開かれた温州出身者たちの初めてのクリスマス晩餐会は21日夜にレストランで開かれ、約800人が出席した。中国語でクリスマス賛歌が歌われ、赤いチャイナドレスを着たダンサーたちの公演が繰り広げられた。温州の方言でユーモアを交えながら一人芝居を披露する年配の男性もいた。

 この晩餐会で演台に立った人の中で故郷の教会の先行きについて触れる人はいなかった。ただ、現状に一番近い話をしたのはヤン牧師で、「中には(米国に)忍び込んできた人もいる。状況は過酷だ」として、「もっといい生活を送るチャンスがある」と語った。