2014年 08月 25日
走って歩いて立ち止まり見て
増水したあとの川の堤防には
川のながれのままに乾いたあしがからまり
方向指示器のようにかたまっていた
うずまきはこちらからきたのだと
いつまでもおわらない道路工事のように
あちらにおまわりくださいと
指さされているようでもあったが
そこにはいれない
泥がおしよせてきたから
中島にはシロサギが立っていた
魚を探しているようだった
そういえば
先日 上流では死んだ魚が大量に浮かんでいたと聞いた
ここまで流れてくるのを待っているのだろうか
なんで死んだかわからない魚を
いつまでも待っているのだろうか
先日 大水で人も流された
最初は学生と言っていたが途中から男の人へ最後には女の人となって
人が何度も生まれ変わったように
ニュースは未確認のまま流されていった
大量に死んだ魚のことなど
なかったように
次々に流されていった
シロサギはそこに立っていた
走るのをやめた
そこから家に帰ろうと歩いた
どちらが前か後ろかわからない犬が
前を歩いていた
いや後ろを向いて歩いていたのかも知れなかった
どちらにしても歩いていた
よく見ると穴がひとつあった
入れ歯の抜けた口のようだったが
目は見えなかった
犬を追い越し歩いた
角を曲がろうとしたら
川から流れついたのか
置き石のように
亀がうずくまっていた
やはり
どちらが前か後ろかわからないままそこにいた
もううごかなくてもいいように
川の流れに逆らって
ここまできたのだというように
亀は頭を出してきた
目を見開いて
そこを見ていた
by akikomichi
| 2014-08-25 14:27
| 詩
|
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