2012年 05月 06日
九重山
電波が届かない夜
山の上に月が届いていた
山の上で地球の錆が溢れ出し
けむりをしきりとはくのだ
せがれよ あれが 地熱発電所だ
地上では原発が一時停止したものの
一時も休むことなく
地球は内部に熱をためこんでいた
月がといめんに移った頃
朝焼けまで
あといくつ息をしていられるかを思う
こどもたちの寝息につながるように
おさえながら咳をする
咳払いのふたり
こいは水色がスピーカーから流れ出したとたん
ほほほけきょうとどもりながら鳥が答えた
朝六時の合図
珈琲豆を陶で轢いて
くろぐろとした夜をすするように
九重の朝がやってきた
by akikomichi
| 2012-05-06 23:26
| 詩
|
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